高血圧予防のために味噌汁を控える!?

よく言われているのが、「塩分は高血圧リスクを高める」という説です。

高血圧予防のため、お味噌汁を控えている、という人も多いかもしれません。

なにしろ、味噌汁をつくるもとになる「味噌」には、多くの塩分が含まれています。

家系に高血圧の人がいると、遺伝しやすいという話も聞きます。

なので、早めに高血圧予防をしたい、そのためにはまず、味噌汁を控えることから始めよう、と考えている人も多いかもしれません。

しかし、第36回日本高血圧学会総会(平成25年10月26日発表)で発表された共立女子大学の研究によると、味噌汁の摂取頻度と、血圧の間には、関連性が認められないことが明らかになりました。

また、1日1杯程度の味噌汁を飲んでいると、血管年齢が10歳程度改善する、という傾向が認められたというのです。

これでは、今まで言われてきたことと真逆です。

いったいどういうことなのか、詳しく見ていきましょう。


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共立女子大学による同研究は、東京都内の人間ドックを受診した男性(平均年齢55歳)102名による、聞き取り法での食物摂取頻度および、人間ドックの成績との関連性が調べられました。

味噌汁の摂取低頻度グループ(5日間あたり0~2回)、味噌汁摂取中頻度グループ(5日間あたり3~5回)、味噌汁摂取高頻度グループ(5日間あたり6~15回)の3グループに分けて調査されました。

すると、味噌汁摂取頻度と、血圧に関連は見られなかったのです。

また、1日1杯程度の味噌汁を飲むと、血管年齢を10歳程度改善する傾向も明らかになりました。

味噌に含まれる塩分は、味噌汁の食塩摂取量への寄与率にして、約2%しかありません。

味噌汁は、食塩摂取量の独立した決定要因ではなかったのです。

それよりもむしろ、調味料や香辛料の寄与率は14%、漬物は9%、ゆでめんは5%という結果になりました。

こちらのほうが、ずっと塩分摂取に影響を与える要素なのです。

味噌汁1杯、15ml飲むと、塩分摂取量は1.2g~1.5gとなります。

ほかの料理と比べても、味噌汁の塩分がそれほど多いわっけではありません。

また、塩分の摂り過ぎが良くないと言われるのは、ナトリウムの過剰摂取が、高血圧の原因になると言われているからです。

しかしナトリウムは、同時にカリウムを摂取すると、体外に排出されやすくなります。

味噌汁の一般的な具は、わかめなどの海藻、野菜やイモ類ですよね。

これらはみんな、カリウムを多く含む食品です。

たとえ味噌汁でナトリウムを摂取したとしても、同時に食べているおつゆの実に含まれるカリウムで、ちゃんとナトリウムは排出できているのです。

中和されているわけですから、これが高血圧の原因である! と断定するには当たらないのです。

また、先出の共立女子大学の別の研究(ラットを使った実験)では、0.9%の食塩水、1.3%の食塩水と味噌汁を与え、血液上昇をはかる比較実験が行われました。

すると、味噌汁摂取では、0.9%の食塩水を与えた場合の血圧上昇にとどまり、3割に減塩効果がありました。

味噌には、抗酸化成分や血管拡張物質が含まれています。

これが抗高血圧作用に関わっているのでは!? とも考えらえています。

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