女性は男性よりも、貧血になる確率が高いです。
それは、健康な女性なら、毎月月経というものがあるから。
月経になると、自然と鉄分が排出されてしまいます。
女性は1回の月経周期で、約30~60㏄の出血をします。
鉄換算で6.9㎎~8㎎の排出量です。
このことから、女性と男性とでは、まったく同じ食事をしていたとしても、鉄分の量が少なくなってしまうのです。
また近年のダイエットの流行、孤食の習慣の浸透により、女性はより、貧血になりやすい環境にあります。
ひとりで食事をしていると、つい便利なインスタント食品を食べてしまいがちですよね。
あるいは、めんどうだからと外食してしまったり。
インスタント食品や外食メニューは、栄養素が偏りがちです。
自然と鉄分の摂取量も減ってしまいます。
成人女性の約1割が鉄欠乏性貧血、約40%が貧血予備軍と言われています。
私たち女性は意識して、鉄分を摂取しないといけません。
とはいえ、鉄分は体内に吸収されにくいという性質があります。
また、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は、動物性食品に含まれるヘム鉄に比べて、吸収率が数分の1しかないと言われています。
鉄分をとったつもりになっていて、実は不足していた! なんてことにならないように、効率的に、しっかり鉄分を摂取できる方法を知っておきたいですね。
鉄分の吸収率は、ビタミンCと一緒に摂ることで、上げることができます。
ビタミンCは、鉄を吸収しやすいカタチに変えてくれるからです。
ブロッコリーを食べるときは、ビタミンCを含むレモンを絞ってかけるなどすると、効率的に摂取できます。
また、吸収率の低い非ヘム鉄も、動物性たんぱく質と一緒に摂ることで、吸収率を高めることができます。
これには肉と魚は含まれますが、卵や牛乳、乳製品は含まれません。
ひじきの煮物などの非ヘム鉄をとるときは、主菜に肉や魚を選ぶと良いですね。
食べ方でも、鉄分の吸収率を上げることができます。
これには以下の方法があります。
★ゆっくりよく噛んで食べる
ゆっくりよく噛んで食べると、胃液が分泌されやすくなります。
これが鉄分の吸収率を上げてくれるのです。
酢や梅干し、かんきつ類など、酸味のある食品をとると、胃粘膜を刺激して胃酸の分泌を高めるので、これもグッドです。
香辛料もいいですね。
ただし、香辛料は摂り過ぎると刺激が強すぎるので、ほどほどにしましょう。
★食べ合わせで摂取率を上げる
紅茶やコーヒー、緑茶には、渋み成分であるタンニンが含まれています。
従来は、このタンニンが鉄と結合すると、吸収率が低くなると言われてきました。
しかし最近の研究では、体内で消化された鉄とは結合しない、という説が出てきます。
また緑茶はビタミンCが多く含まれているので、鉄分の吸収を助けてくれる、という見方も出ています。
ちなみに、現在、貧血改善のために製造されている鉄分サプリメントは、タンニンに影響されることはないようにつくられているそうです。