鉄分が不足している状態は、鉄欠乏性貧血へとつながってしまいます。
ただでさえ、女性は貧血にかかりやすい状況にあります。
健康な女性であれば、毎月月経があります。
血液には多くの鉄分が含まれています。
月経では1回で、30~60㏄の出血をします。
鉄分に換算すると、1回の生理周期で、排出されてしまう量は15~30㎎にも達します。
だから、同じ食事をしていても、男性よりも女性の方が、鉄欠乏性貧血になりやすいのです。
女性は産前産後、授乳中は生理がストップします。
この時期なら、生理がないので、鉄分が不足することはないのかというと、そうでもありません。
むしろ、事態は全く変わりません。
月経で排出されるかわりに、女性の体は、お腹の中にいる、外に出てきた、赤ちゃんに対して、鉄分を優先的に渡してしまうからです。
赤ちゃんの成長ためには仕方のないことですが、女性にとって、貧血リスクは高いまま、ということになります。
また若い女性たちの間で、「かくれ貧血」と呼ばれる鉄欠乏性貧血予備軍が生まれています。
これには、ダイエットの流行や、孤食の習慣の広がりによるところが多いとみられます。
ダイエットをすると、どうしても鉄分が不足してしまいます。
また、孤食が習慣かしていると、インスタント食品やスナック菓子を食べてしまいがちです。
バランスの良い食事を続けるのが難しいため、鉄分が不足してしまいがちなのです。
成人女性の全体の10%が鉄欠乏性貧血で、約40%が鉄欠乏状態(貧血予備軍)にあると言われています。
鉄欠乏性貧血を防ぐには、成分を食事で摂取することが大切です。
鉄分は自分の体内でつくることができないからです。
その際、鉄分の種類により、腸管吸収率が異なる、ということを知っておきましょう。
食品鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。
肉や魚に含まれるのが「ヘム鉄」です。
海藻、大豆、野菜など、植物性食品に含まれるのが「非ヘム鉄」です。
ヘム鉄の十二指腸の吸収率のほうが、非ヘム鉄よりも10倍高いとされます。
鉄分を多く含む食品は、以下の通りです。
食品名 100g中の鉄分含有量
豚レバー 13.0㎎
鶏レバー 9.0㎎
牛肩肉(赤身、和牛) 2.7㎎
カツオ1.9㎎
マイワシ(丸干し) 4.4㎎
マイワシ(生) 1.8㎎
パセリ(生) 7.7㎎
ブロッコリー(生) 1.0㎎
ひじき(乾燥) 55.0㎎
切り干し大根(乾燥) 9.7㎎
大豆(国産) 9.4㎎
鉄分の多い食品と言えば、レバーがまず思い浮かびますね。
含有量も、吸収力も、非常に高いです。
肉類で見ると、ロースや霜降りよりも、赤身のほうに、鉄分が多く含まれています。
魚は白身よりもいわしやマグロなど、青魚、赤身の魚のほうが鉄分を多く含みます。
マイワシは、生よりも干物にしたほうが、鉄分が多くなるんですね。
鉄分の多い食材を、食卓に取り入れるようにしたいです。