人間の体には、生体防衛システムとして、免疫力がそなわっています。
インフルエンザのシーズンですが、ほかにも、私たちのまわりにはさまざまな細菌、ウイルスが存在します。
でも、その量がわずかなら、体内に侵入してしまっても、免疫システムがはたらいて、守ってくれるのです。
ほかにも、精神的なストレスや環境汚染により、私たちの体は刺激を受けています。
同じ環境にいても、ウイルスや細菌に感染する人と、しないひとがしますよね。
これは、それぞれの人の免疫力が違うからです。
お年寄りや小さな子供は感染しやすくなります。
これは、健康な成人より、お年寄りや子供のほうが、免疫力が低いからです。
ちなみに、免疫システムが過剰に反応してしまうと、花粉症などのアレルギー疾患を発症します。
生体防衛システムである免疫力を正常に働かせるためには、食事の面でのケアが有効です。つまり、栄養バランスのとれた食事が大切です。
健康を維持するために必要な栄養素は、なんといっても5大栄養素。
糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが必要です。
主にエネルギーとして使われるのは糖質と脂質、たんぱく質です。
免疫細胞など、体をつくるにはたんぱく質とミネラルです。
体の機能、免疫などを調節するのは酵素の役割ですが、この酵素はたんぱく質とビタミンでつくられています。
過剰なダイエットをして、食事が偏ってしまうと、栄養不足になって、免疫力も低下してしまいます。注意が必要ですね。
通常は、ウイルスが侵入しようとしたとき、皮膚や粘膜のバリアが跳ね返します。
そのバリアは、体を構成したり、免疫力を作ったりするたんぱく質でできています。
最近では、ビタミンDの血中濃度が低下すると、風邪やインフルエンザにかかりやすいとも言われています。
ミネラルの1種である亜鉛も大切。
亜鉛は、免疫細胞の情報伝達物質で、不足すると免疫不全になると言われているのです。
腸内には免疫細胞が集まっていて、腸内環境を整えると、免疫力を発揮しやすくなります。
腸内環境を整えるために、食物繊維や乳酸菌を摂取して、善玉菌を増やすように気を付けましょう。
数ある乳酸菌の中でも、免疫力改善に効果があるとされる乳酸菌があります。
たとえば、カスピ海ヨーグルトを食べると、インフルエンザの予防接種効果が上がるという報告があります。
野菜や果物、海藻などに含まれるファイトケミカルも、免疫力を上げる心強い味方になってくれます。
海藻のネバネバ成分のフコダインは、インフルエンザウイルスの感染を抑制するといわれています。
こうしてみると、幅広い食品を食べることが、免疫力向上につながるということが言えます。
特定の食品だけを食べるのではなく、いろいろな食べ物を組み合わせて食べることが一番ですね。
体質やそのときの状態に応じても、必要な食べ物、食べ方が違ってきますので、その点でも気を付けたいです。