近年、ビタミンDが、新型インフルエンザや季節性インフルエンザ予防に重要な役割を果たすとして、注目されています。
呼吸器の重要な自然免疫である、抗菌タンパク質の合成に、ビタミンDが関係しているためです。
インフルエンザに負けない、強い体をつくるために役立ってくれそうなビタミンDについて、詳しくご紹介します!
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同じ状況にいるのに、インフルエンザにかかる人と、かからないひとがいます。
たとえば、いつも一緒に生活をする家族でも、誰かがインフルエンザにかかったからといって、必ず一家全員が発症してしまうわけではありませんよね。
感染はしている可能性がありますが、全員発症するわけではない、ということです。
人によって、かかる場合とかからない場合があるインフルエンザ。
この原因は、その人がたまたまラッキーで、インフルエンザウイルスを吸い込まなかったせい、ということもあるでしょう。
しかし、発症しないとしても、感染はしている可能性があります。
インフルエンザウイルスを呼吸器から吸い込んでも、ウイルスが鼻やのどの粘膜細胞に取りつかなければ、発症せずにすむ「不顕性感染」となるのです。
体外からインフルエンザウイルスを吸い込んでしまったとき、その脅威に最初にさらされるのは呼吸器粘膜です。
だから、この部分をウイルスから守れれば、まわりにいくらインフルエンザ患者がいたとしても、自分は発症しないですむ確率が高まるのです。
類似したウイルスに1度でも感染すれば、人間の体は免疫記憶ができて、抗体が分泌され、同じウイルスでは感染しなくなります。
これは、季節性インフルエンザで有効な対策です。
しかし、新型インフルエンザのような新しいウイルスは、多くの人が免疫記憶を持っていないので、無防備な状態です。
そこで、力を発揮するのが、抗菌タンパク質です。抗体だけではなく、抗菌タンパク質も、ウイルスと闘う物質です。
抗菌タンパク質にはいくつかの種類がありますが、そのうちのひとつは、ビタミンDが関係していることが近年、明らかになりました。
ビタミンDをしっかり摂取すれば、予防効果があるのです。
ビタミンDは日光を浴びたり、食事をとったりすることで増やせます。
紫外線によって、皮膚でビタミンDが合成されます。
その量は、日照時間によって変わります。
日照時間が減る冬は、ビタミンDの血中濃度が下がりやすいです。
そのせいで、冬場にインフルエンザをはじめとする、呼吸器系感染症が増えるのでは、と言われています。
足りない分は、栄養摂取で補いましょう。
食事からビタミンDを摂取するときは、きのこ類からビタミンD2を摂取し動物由来のビタミンD3を摂取するのが有効です。
ビタミンD2は、生のきのこよりも、紫外線を浴びた干しきのこのように、多く含まれています。
身近な食材で含有量が多いのは、きくらげです。
動物由来のビタミンD3では魚類に多く含まれています。
きのこをたっぷり入れた魚介鍋は、インフルエンザ予防に役立ちます。
冬のメニューにぜひ、役立ててくださいね。