最近、睡眠に関連した症状を抱える人が増えています。
これを総称して「睡眠障害」と呼んでいます。
「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠障害としてよく知られていますね。
睡眠時無呼吸症候群というと、「太った中年男性の病気」というイメージがありますが、やせている女性にも増えているのが現状です。
たいていの場合、睡眠時無呼吸症候群は、太くなった首の肉が睡眠中に軌道をふさいでしまうと引き起こされます。
無呼吸を繰り返すと、血液中の酸素濃度が30%程度下がってしまうことがあります。
すると、血圧が上がったり、血流が早くなったりして、心臓や脳に血栓などの障害が起こりやすくなり、命にかかわるケースも起こりえます。
治療法としては、マスクを鼻に装着して、睡眠中にも軌道に空気を送り続けるCPAP療法が一般的です。
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女性に多い睡眠障害が、睡眠注に無意識に飲み物や食べ物を食べてしまうという「睡眠関連食行動障害」です。原因には1つ考えられます。
①子供が寝ぼけるような状態が成人まで治らず、それが食行動に変わってしまう
②日常生活のストレスが寝ている間に爆発し、食行動に変化する
ドラマなどでは、戸棚や冷蔵庫をあけて食べ物を取り出したりするのがよく出てきますが、なかには調理までしてしまう場合もあります。
夢遊病と合体すると、深夜にコンビニに買い物に出てしまうこともあります。
すべて寝ている間にやってしまう、というところに悩みがあります。
睡眠関連食行動障害の一番の問題は、自分の行動を制御できないことです。ひどいばあいには、それがつらくてうつ病を発生してしまうケースもあります。
現時点では決定的な治療はありません。
しかし、他の睡眠障害に伴った二次性障害の場合、原因となった睡眠障害の治療を優先するのが基本です。
ストレスが原因と考える場合は、まずストレスの軽減を優先します。
「レム睡眠行動障害」が起きると、本人や隣で寝ている人がケガをしたりする事例もあります。
本来なら、レム睡眠中は夢を見る時間なので、筋肉は動かないようにできています。
しかし、筋肉を動かさないようにするシステムがなんらかの原因で停止し、筋肉が動くなるようになります。
そのため、夢を見ている通りに体が動いてしまったりします。
悪夢を見ているときなら、夢の中の相手に反応して手を振り上げたり、けんかしたり、そこから逃れようと実際に走り出したりします。
その結果、隣で寝ている人がケガをしたり、本人が壁やガラス窓に激突してけがをしてしまったりします。
レム睡眠障害の主な原因は、脳の加齢による神経伝達障害、ストレス、過度の飲酒と言われています。
薬による対症療法はありますが、根本を治療する方法は現在、確立されていないのが現状です。
これらの症状は、放置しておいても改善されにくいです。
日常生活に支障をきたすようなら、睡眠外来などを受診することをおすすめします。
質のいい睡眠は健康生活の基本ですから、まずは自分の睡眠の状態を知り、自分に合った環境を整えることが、よいよい睡眠への第一歩です。