お肌のうるおいを保つために、天然保湿因子をきちんとはたらかせておくことはとても大事です。
保湿因子の特徴をそれぞれ、くわしくみてみましょう。
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★皮脂
汗と皮脂が混ざり合ったもので、天然のクリームと言われるものが、お肌からは出ています。
天然の油膜として、肌の表面を覆っていることで、水分が蒸発しにくくなります。
また、摩擦抵抗を減らして、表面をなめらかにします。皮脂膜に含まれる脂肪酸により、弱酸性を保って、細菌の繁殖を防ぎます。
皮脂の量と経皮水分蒸散量(TEWL)とは、逆の相関関係があります。
だから、皮脂の量は、多すぎても少なすぎてもいけないのです。
皮脂の分泌が少ないと、お肌がかさつきやすくなり、バリア機能も落ちてしまいます。
反対に、皮脂の分泌が多すぎても、お肌がべたついて、皮脂が過剰物質に変化してしまい、お肌の炎症を引き起こしてしまいます。
ニキビが起こるのも、この肌状態の変化によるものです。
だから、皮脂膜が正しく機能するためには、適度な量の皮脂があることが大切なのです。
★天然保湿因子
天然保湿因子は水分をキープするはたらきがあります。
天然保湿因子はNatural Moisturizing Factorと言います。略してNMFです。
ケラチノサイト(角化細胞)が角化するとき、たんぱく質からつくられます。
水分と結合する性質があって、アミノ酸、尿素、乳酸、塩基類などで構成されています。
水分を吸着性質が強く、水分を角質層に届けて、ハリとやわらかさのある角質層を保つ役割があります。
★細胞間脂質
細胞間脂質はお肌のバリアとしてはたらきます。
角質細胞はよく、レンガとセメントでたとえられます。
角質細胞がレンガだとすると、角質細胞間脂質はセメントです。
セメントが、レンガの隙間に入って、お互いを結び付けることで、きちっとくっついて、内部が水分蒸発しにくくなるのです。
そして外部の刺激からも守ることができます。
強固なレンガ壁になるのです。
細胞間脂質は水をかかえる親水基と、資質としての性質がある親油基があります。
水分層と資質の層は交互に重なって、水を挟み込んでいます。
水分層と脂質層が交互にあるので、水も漏れさせない状態になっています。
また、水分層は熱が高いので、温冷刺激に対しても緩衝材としてはたらいてくれます。
この水と油がキレイに並んだ状態が壊れてしまうと、水分が抜けやすくなります。
乾燥しやすい肌や敏感肌の方は、このレンガ壁を立て直すことが、うるおいを取り戻すための重要なカギとなります。
角質層細胞間脂質は「セラミド類」が半分を占めています。
セラミドには6つのタイプがあって、保湿に関係あるのはタイプ1と2です。
タイプ2が水分保持の役割を担います。
タイプ1のセラミドは、角質層の特徴の1つである、バリアとしてのはたらきをしていると考えられています。
お肌のうるおいを保つためには、これら3つの保湿因子を保つことが大切です。