美容外科で受けられるヒアルロン酸注入は、たるみやしわ、目の下のクマを速攻で解消したいときに、劇的な効果をもたらしてくれます。
しかし、ヒアルロン酸は注入しても、時間が経つと分解されて効果が薄れてしまうという特徴があります。
ヒアルロン酸は体の中にある成分なので、体に吸収されて無くなってしまい・・・と言われている、あれです。
しかし、必ずしもそうではないということも、最近の事例で分かっています。
例えば、ある美容外科では、たるみの施術を希望する患者にヒアルロン酸を「分解」する注射を打って、たるみが改善したという事例があります。
この患者は、4年前に他の美容外科でヒアルロン酸注射を受けたことがありました。
そこで、ヒアルロン酸によるたるみの可能性が高いとその美容外科医は考え、分解注射を打ったところ、たるみが軽減されたということです。
ヒアルロン酸注射を打つとき、「半年で効果が無くなります」と医師に言われることが多いので、そのつもりでいることが多いかもしれません。
しかし、目の下の手術をしてみると、4、5年前のヒアルロン酸でも残っていることはよくあることなんだそうです。
ここで大切なのは、ヒアルロン酸が物質として残っていることと、ヒアルロン酸の効果が残っているということは、別のことだということです。
もう1つ、さっきご紹介した患者さんの話では、ヒアルロン酸を分解することでたるみが改善されましたが、これは「ヒアルロン酸を注入しなかったほうがよかった」というわけでもないということです。
その治療を受けた、4年前の時点では、受けたほうがよかったはずです。
しかし、時間と共に効果が薄れてきて、薄れたけれども成分が残っているのに、たるみがでてきてしまいました。
これはどうしてこういうことが起こるかというと、ヒアルロン酸が粘弾性の液体であるためです。
入っている場所がどこなのか、そこはどういう条件になっているのかで、その後の経過というのは変わってきます。
ヒアルロン酸を注入して、何年後かヒアルロン酸が原因でたるみができたのだとしても、それは決して失敗ではないということです。
目元にヒアルロン酸をすると、その中がどのような状態になっているのかを医師がちゃんと知っていれば、このようなことにならない範囲で注入することもできます。
あるいは、皮膚の中に残っているヒアルロン酸を分解することにより、たるみを改善することもできます。
いずれにせよ、ヒアルロン酸を注入しても、時間が経てば、その効果は薄れてくるものです。
そのとき、それは本当に成分が無くなってしまったからたるんでくるようになったのか、それとも皮膚の中の粘弾性のヒアルロン酸によってたるんでしまっているのかを判断することが必要です。
それによって、必要な治療は違ってきます。
メスを使わず、安全な施術だからこそ、その後のケアもきちんとしたいですね。