便秘になると、肌トラブルを招いてしまうものです。
ずっとお通じがないと、吹き出物ができたりしますよね。
これは、経験から分かることでもありますが、いくつかの調査報告により、裏付けられています。
森永乳業株式会社 食品基盤研究所と和歌山県立医科大学皮膚科との共同調査(2009年)により、20~30代の女性1万人を対象にして、調査が行われました。
題して「便秘か?肌状態に及ぼす影響に関する調査」。
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この調査の結果、8割以上が便秘や下痢など、排便トラブルを抱えていることが分かりました。
快便グループと比較して、便秘グループは、肌トラブルを起こしやすいです。
その肌トラブルの内容は、乾燥、にきび、吹き出物、くすみ、しみ、毛穴など、多岐にわたります。
それだけではなく、QOL(生活の質)にも、悪影響を及ぼしていることが分かりました。
たとえば、便秘によって肩こり、腰痛、視力の低下、むくみ、冷え症、生理不順に悩まされていることが、明らかになっています。
カゴメの2010年に実施された研究も、便秘と健康の関連性を示唆するものです。
ラブレ菌を投与することで、便通が改善し、ニキビが改善する可能性があるというのが、その結論です。
これらの取り組みは、なぜ便秘が肌トラブルにつながるかを明確にするものではありません。
しかし、ビタミンB群の吸収が低下することも、その要素として挙げられるかと思います。
便通がスムーズでなくなると、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸の吸収が低下することがわかっています。
腸の不調は、脳にも影響を与える、という、とても気になる研究も行われています。
ストレスは、腸内環境の悪化を引き起こします。
そのストレスは、環境や肉体的疲労など、物理的なストレスだけではなく、精神的なストレスも深く関わっていることが知られています。
腸内環境を特定の乳酸菌で整えることにより、ストレスや不安感の緩和がみられたという報告も複数あります。
脳から腸、腸から脳という、双方向の影響があるらしいと言われています。
これからの研究結果が待ち望まれるところです。
科学的な裏付けにより、便秘がビタミンB2、ビタミンB6、葉酸の吸収力を低くすることが分かっています。
★ビタミンB2とは
糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝に必要とされるビタミンです。
不足すると、脂漏性皮膚炎や口内炎ができやすくなります。
肌荒れになったり、髪の毛が傷んだりします。
成長期や運動量の多い人は、ビタミンB2の所要量が増えます。
★ビタミンB6
たんぱく質や脂肪の代謝に必要となります。
腸内細菌により合成されるので、欠乏症は起こりにくいです。
しかし抗生物質を長期間服用していると、腸内細菌の育成が妨げられてしまうおそれがあります。
★葉酸
新しい細胞を作り出すためのたんぱく質を合成するのに必要です。
ビタミンB12とともに、造血作用があります。
悪性貧血を防ぐ作用があります。