一度かかってしまったら、もう治らないというこわい病気、糖尿病。
糖尿病の原因として、睡眠不足が注目されています。
3日間、深く眠る「ノンレム睡眠」状態が阻害されると、健常者でも、血糖値が23%も上がってしまうという研究報告があります。
これほどの急激に上昇してしまったら、もう糖尿病予備軍としてみなされます!
睡眠不足の状態だと、2型糖尿病を招いてしまうと言われています。
睡眠不足は糖尿病のほかに、肥満や寿命を縮めてしまうなどの悪影響もあります。
忙しい現代人は、どうしても睡眠時間が減ってしまいがち。
しかし、忙しさを理由に、しっかりとした睡眠時間をとらないでいると、それがさまざまな悪影響を招いてしまう危険性を自覚しておきましょう。
これまで、糖尿病と睡眠不足の関係では、逆のことが言われていました。
すなわち、糖尿病になると、その合併症として、睡眠障害が表れてしまう、という説です。
しかしここで言うのは、その逆パターンの可能性です。
睡眠不足の状態だから、糖尿病を招いてしまうのです。
たしかに、糖尿病になると、睡眠障害を招いてしまうのは事実です。
たとえば、高血糖状態にあるので、夜間にトイレに行く回数が増えてしまいます。
また、足に神経障害が出てしまうと、寝ていられないような激痛が起きてしまいます。
2型糖尿病患者は、肥満の人が多いです。
太った人は、いびきや睡眠時無呼吸症候群になりやすく、それも睡眠を阻害してしまいます。
2003年に、新幹線の運転手が居眠り運転をしていたことが発覚し、大きな社会問題になりました。
これは、無呼吸症候群による居眠りです。
夜間の睡眠中に呼吸が止まったり、気道がつぶれて空気の流れが悪くなり、低呼吸が何回も起きたりしてしまう状態です。
こういう風な眠りをしていると、深い眠りがさまたげられます。
目が覚めはしないですが、浅い睡眠が多くなるので、昼間の生活に支障が生まれてしまうのです。
太った人のこのような状態になると、ぐっすり眠るどころではありませんよね。
糖尿病から睡眠障害というのはたしかにありますが、その逆のバージョンもある、ということが重要です。
お互いに相関関係があるのです。
睡眠障害になると、どうして糖尿病になりやすくなってしまうのでしょうか。
それは、代謝と関係があります。
代謝に悪影響を及ぼし、それが糖尿病を招いてしまうのです。
睡眠不足の状態の人は、深い眠りをしていないので、ノンレム睡眠の状態がおおくなりがちです。
すると、それがインシュリンの感受性に影響を与えてしまいます。
糖尿病とは、インシュリンがきちんと機能しなくなることによって、引き起こされます。
だから、糖尿病を防ぐためにも、インスリンの分泌をコントロールするために、しっかりと睡眠時間を確保したほうが良いのです。
それも、ただ長い時間を眠るだけではなく、深い眠りにつくことが大切となります。