睡眠不足は、ものの見え方にも悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
目が疲れていると、パソコンで作業していると、目がかすみがちになります。
睡眠不足の状態だと、ものを見る認識時間やコントラスト感度、調整する能力が阻害されてしまうと言われています。
健康診断を受けると、視力測定があります。
この視力測定では、通常は5メートルの視力表を使います。
1.5㎜の切れ目の入っている「ランドルト環」を見分けられると、視力1.0として測定されます。
遠いところから見て、どれだけ鮮明に像を把握できるか、という、指標から網膜までの光学特性をはかることにより、出される数字なのです。
しかし、ものを見るための力には、このほかにもいくつかの要素が加わってきます。
視力だけではなく、認識スピードがコントラストへの感度、目を調整する能力も、関わってくるのです。
これらが総合的に関わって、ものの見え方が決まってきます。
睡眠不足の状態だと、このはたらきに、悪影響が出ると言われています。
睡眠不足が続いていると、パソコンでの作業がなかなかはかどらなかったりしますよね。
これは、気分が乗らなかったり、体調が悪かったりするせいもあるでしょう。
しかし、ものの見え方も関係している可能性があります。
睡眠時間が短いと、頭がぼんやりしてしまいます。
これは、情報が網膜から脳に伝わる速度が、遅くなっているということです。
だから、認識したり、識別したりするのにかかる時間が長くなってしまいます。
その結果、パソコンの作業効率が低くなってしまっている可能性があるのです。
長時間本を読んでいたり、パソコンの画面をにらんでいたりすると、比較的近距離のものに、ずっと焦点を当て続けることになります。
近視でも遠視でもない、「正視」の人が、眼前30㎝の指標を見るのに必要な調整力は、3ジオプター、という尺度になります。
近くのものを見るには、それだけの調整力が必要、ということです。
しかし、睡眠が不足すると、調整力は低下します。
なので、近見視力は低下してしまいます。
続いて、コントラスト感度について。
壁のテクスチャーや、森林の木々の細かいさまを見分けるには、コントラスト感度が必要です。
コントラスト感度は、VCTS (Vision Contrast Test System)という検査法ではかれます。
どれくらいぼんやりしたものが、どれくらいの細かさの縞模様まで認識できるか、という検査法のなります。
睡眠時間が短いと、高周波領域では、この感度が低下すると言われています。
このように、睡眠不足にあると、ものをすぐに認識できなかったり、近くのものを見にくくなったります。
また、コントラストを把握しにくいため、結果として作業効率が落ちてしまう可能性があります。
ですから、睡眠不足は、起きている間の見る力の低下にもつながってしまうのです。
睡眠時間はきっちりとって、オフィスでの仕事もばりばりこなせるようになりたいですね。